木版画
染色技法で始まった井堂雅夫の作品制作は、木版画に出会うことにより大きく変化しました。
広重や北斎がそうだったように、井堂雅夫は自身が絵師となり、彫り師・摺り師とともに圧倒的な数の作品を発表しています。
それは、世界の画家にも大きな影響を与えた木版画のすばらしい技術を後世に伝えていくことも自身の仕事ととらえているためです。
大陸から渡来した木版画は、日本の気候風土が生んだ水・木・草、そして日本人の持つ繊細な感性と手先の器用さから
版木や和紙などの材料や道具が生まれ、大きく花開きました。井堂雅夫は、この多色摺り木版画の伝統の技を駆使し、
四季折々の美しい風景をIDO GREENとも呼ばれる独自の色づかいと、光と影の表現を大切にした作品を制作しています。
何十枚もの色版を彫り、手漉きの和紙の上に何十回も摺りを重ねてようやく完成する作品は、筆で描く絵画とは違う素朴な魅力にあふれ、
観る人の心を安らぎで満たします。
禅の庭ZEN NO NIWA(36×51.5cm)×2
静寂SEIJAKU 36×64.8cm
岩手山一本桜IWATESANIPPONZAKURA 26×38cm
光彩KOSAI 53×23cm
高田松原一本松IPPONMATSU 16.5×12cm
京の四季・清水寺KIYOMIZUDERA 15.6×11.2cm
京の四季・永観堂EIKANDO 15.6×11.2cm
春日SHUNJITSU 60×20cm
小径KOMICHI 60×20cm
清秋SEISHU 60×20cm
雪間YUKIMA 60×20cm
八坂の夏YASAKA NO NATSU 21×44.5cm
憩IKOI 21×44.5cm
縄文賛歌JOMONSANKA 180×270cm
肉筆画
井堂雅夫の画家としての出発は、京都で染色の道に入った時でした。
染料で絹地に絵付けを施すことは、筆を自在に操ることによりにじみやかすれを含め生きた線、表情豊かな面を描き出すことであり、
そこで培われた技術は井堂雅夫の画家としての原点でもあります。
和紙・布・木・陶板などに墨・水彩・アクリルなどを用いて直接描く絵画の世界では、木版画の「版」という制約から解き放たれ、
伸びやかに描かれる井堂雅夫の絵画表現の世界はさらに大きく広がっていきます。
命をテーマとした心象の表現の「宇宙シリーズ」、日本の自然の美を意匠的に描く「現代琳派シリーズ」、そして抽象画など、
木版画とはまた違った別の世界を見せてくれます。
中でもアクリル絵の具で絹の生地に描く作品は、染色の技術を学んだ井堂雅夫が得意とする手法です。
乾く間ももどかしく作品創りに集中して取り組む井堂雅夫にとって、速乾性のアクリル絵の具は、相性の良い絵の具となっているようです。
飛翔HISHO 絹本彩色 180×360cm
宇宙からの誕生UCHU KARA NO TANJO 絹本彩色 180×510cm
円山夜桜 (六曲一隻屏風)MARUYAMA YOZAKURA 絹本・純金箔貼りに彩色 (169×62cm)×6
祇王寺紅葉 (六曲一隻屏風)GIOJI KOYO 絹本・純金箔貼りに彩色 (169×62cm)×6
雨ニモマケズAMENIMOMAKEZU 紙本彩色 34×91cm
総本山知恩院所蔵国宝「阿弥陀二十五菩薩来迎図」模写による復元画AMIDA RAIGOZU 紙本彩色 86×94.5cm
いのちの元INOCHI NO MOTO 紙本彩色 各 5×5 cm